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生産者紹介

【花巻市葛】 阿部貴広さん

しいたけ生産者

花巻市農村青年クラブ

2棟のしいたけハウス
暮れの肌寒い中、阿部貴広さんのしいたけハウスを訪れた。2棟のハウスでは約13000玉のブロック状の菌床が置かれている。
今はちょうど収穫の真っ最中。しいたけは冬の鍋ものや年始のおせちによく使われるため、今が需要のピークを迎えている。この時期に収穫のピークを合わせられるかが、しいたけ栽培の勝負だと阿部さんは言う。
忙しい中にも関わらず阿部さんは笑顔で取材に応えてくれた。
自然界で発生しやすい環境をつくる
お邪魔した時はちょうど水やりの時間だった。上に這わせたホースに細かな穴が開いており、そこからシャワー状に水が菌床に降っている。今年は雨が少なかったので、補うために定期的に撒いていると言う。
湿度が不足しているかどうかは、菌床の色や形を見て判断する。菌床はきれいなブロック状の形になっており、収穫していくにつれて小さくなっていく。ブロックの形が一部だけ小さくなったりと、形が歪なものは湿度が不足している。
温度管理も大切だ。真冬でもハウス内にあるヒートポンプで生育に最適な温度を保っている。
また酸素や二酸化炭素などハウス内の大気の状態も影響する。酸素不足は菌床の形が歪になるし、二酸化炭素不足は菌床内で芽をつくらず収量が減ってしまう。。
温度、湿度、大気の状態など自然界でしいたけが発生しやすい環境をハウスでどうつくるかが、しいたけ栽培の大切なポイントだ。
しいたけの美しさ
 しいたけの大きさは軸の太さを見る。軸が細いのは大きくならない。収穫の際は軸を見て、採るかどうかを判断する。
 またしいたけの傘の裏が開くと、しいたけの香りが失われる。それを防ぐため、阿部さんは今年から新しい品種を試している。比較的大ぶりのきのこが採れる品種だが、そのかわり採れるしいたけの数が少ない。どのように生育していくか試行錯誤の最中だ。
 
取材が終わり、別れ際に阿部さんが1個のしいたけを見せてくれた。傘の表面に美しい鱗片がちりばめれている。
点々があるほうがしいたけの美しさがある、と阿部さんは言う。
できるだけ収量を減らすことなく品質を高めていく。阿部さんは今も工夫を続けている。