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生産者紹介

【花巻市石鳥谷】 三又明美さん

長ネギ生産者

花巻市農村青年クラブ

焼き芋屋さん付きの直売所
国道バイパス近くの住宅地。その一角に木造のおしゃれな小屋が一棟たっている。今回の取材先、長ネギ農家の三又明美さんが経営する野菜の直売所「Vegechu(ベジチュ)」だ。

三又さんはVegechuで長ネギ、ミニトマトの直売をしているほか、サツマイモを焼き芋にして販売している。すぐそばにコンビニがあり、焼き芋屋は目立つのでお客さんが寄ってきやすい。そこでは焼き芋だけでなく、直売所の野菜も買ってもらえる。野菜をつくるだけでなく売る方法もきちんと計画しているのだ。
Vegechuの由来は、ベジタブルのべジにチュでベジチュ。キャッチ―でかわいらしい印象を持たれるよう三又さんが考えた。
水と土
長ネギ畑はVegechuのすぐそばにある。広さ30アールの畑一面に、まっすぐ伸びた長ネギが整列している。素人目には十分に成長したように見えるが、収穫にはまだ半月から1か月以上かかるという。
よく見ると長ネギの背丈が畑の手前のものより奥の方が高い。これは畑の水はけによる。長ネギを伸ばすためには、根本に土をかぶせる土寄せをする必要がある。しかし雨が降ると土が下がってしまい、そのたびに土を寄せ直さなければならない。この畑は水はけが悪いため、土寄せが難しく、長ネギの生長に差が出てしまう。
自ら販売ルートを開拓
以前この畑は水田だった。そこを三又さんが借りて長ネギ栽培をはじめた。今回で3年目になる。収穫は1年目は成功、2年目は失敗、今年はおそらく成功。2年目の失敗は長雨が降り、畑に水がたまって根腐れを起こし生育不良となったためだ。
 また三又さんは野菜の販売ルート開拓にも熱心だ。Vegechuでの直売の他、水はけを改善することが急務と考え、もともと畑まわりに掘っていた溝をさらに整備した。
 農協への出荷はもちろん、自らラーメン店や居酒屋に営業をかけ、長ネギを直接卸している。 三又さんに野菜のおすすめ料理を聞くと、たくさんのアイディアを教えてくれる。おそらくVegechuで対面販売や営業などで自然に会話上手になったのではないだろうか。
こんな世界があるんだ
三又さんの実家は農家。しかし選んだ職業は幼稚園の先生だった。出産を機に一度仕事から離れていたところ、偶然イチゴ農家さんが募集していたパートに興味を持ち応募。そこは観光農園をやっており、お客さんの喜ぶ姿を見てやりがいを感じて、
「なんかおもしろいな、こんな世界あるんだ。」
と心を動かされ、就農を決めた。
 
三又さんの実家は農家だが、嫁いだ先は違ったため、そもそも農地が無かった。また農業の経験も不足していた。そのため就農を決めてから2年間、盛岡の農家さんの元で勉強した。そのとき勉強したのがミニトマトとネギ。場所を借りてさっそく栽培をはじめた。

三又さんの長ネギづくりはまだまだ道半ば。
「まっすぐできれいでおいしいネギをつくりたい。」
一つ一つの品質を高めていくのが目標だ。とれたての青々とした長ネギをいただき、三又さんの畑をあとにした。