1. HOME
  2. 生産者紹介
  3. 花巻市石鳥谷町 有限会社アグリストさん

生産者紹介

【花巻市石鳥谷町】 有限会社アグリストさん

新玉ねぎ生産者

農のスペシャリスト
 アグリストの名前は高橋社長が考えた。農(アグリ)のスペシャリストでアグリストだ。
 高橋社長の生家はもともと大きな農家だった。ゆくゆくは農家を継ぐつもりだったが、個人でやっていくのは困難になると考え、将来を見据えて法人化を決意した。平成15年のときだ。当時も今も農業法人は珍しい。
 最初は米のみだったが、年間通して仕事をつくるため大豆や小麦づくりに参入し、今はこちらが主力事業だ。
 米大豆小麦、これらは機械作業を活かせる作物で、それらに限って栽培していた。しかし、これらは海外との価格差が大きく国からの補助金ありきのものだ。補助金を打ち切られたら事業継続できないと考え、先に手を打つために野菜づくりに事業を拡大した。
最初にトライした新玉ねぎ
 最初にトライしたのが新玉ねぎだ。これは日本で一番輸入されている野菜で、国産シェアは微々たるもの。そこに事業の可能性を感じ、数ある野菜から新玉ねぎを選んだ。
 カット用の野菜などで使われる加工野菜として出荷している。加工目的の野菜なので、できるだけ大型の規格で大量の生産が求めれる。そのためアグリスト様では、新玉ねぎの栽培用に約3町歩の面積を使用している。
 作付けは春植えと秋植えの年2回。今はちょうど秋植え分の収穫が終わり、天日干しなどで乾燥させれば、ほぼ出荷できる状態だ。
新玉ねぎと牛舎と農業機械
 会社のすぐそばに牛舎がある。ここは社長のお父様が運営している畜産所だ。法人化する前からやっており、この畜産のノウハウなどを活かし、畑の土づくりの際は堆肥にして入れている。ここでの新玉ねぎづくりの特徴の一つだ。
 新玉ねぎは、葉っぱが伸びるのと並行して土中の玉の部分も大きくなる。ある程度生長すると、栄養が玉に集中し、玉だけが大きくなり、葉っぱはスカスカとなって地面に倒れる。葉っぱが地面に倒れるのは、土中の玉が肥大化した結果であり、収穫のタイミングを教えてくれる。
 夏場での収穫は重労働だが、機械をうまく取り入れることで、少人数での作業を可能にしている。例えばピッカーという機械。切り取った新玉ねぎを拾い上げ土を落とし、コンテナに自動排出する機械だ。
 このピッカーを含め、たくさんの農業機械が会社の畑のそばにある倉庫に置かれている。これらの機械を使いこなすことで、大きな面積でも人数をかけずに作業することができる。
 新玉ねぎから始めた野菜作りは品目を増やし、今では促成アスパラ、ねぎ、じゃがいも、にんじんもつくっている
うちがこのへんの柱になる
 起業して約20年、年々農地は集まってくる。それらの多くは近隣農家の後継者難などで使われなくなったものだ。高橋社長が危惧した通り、個人での農家経営はますます難しい時代を迎えている。
 だからこそアグリストという企業の役割はいっそう重要だ。高橋社長は今後この地域の農業を支える責任を感じている。