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食材年間カレンダー

生産者紹介

レタス生産者

【花巻市石鳥谷町】高橋雄吾さん

花巻市農村青年クラブ

 畝は16あり、1つの畝の中に3列になるようレタスが均等に並べている。うまく成長させるためにはこの形が最適だ。
 取材したときは4月といえど朝晩は寒さの残る季節。そのため畑一面にカバーをかけ、レタスを温めている。冷えすぎず暑すぎず、温度を管理することでレタスの成長を助ける。
 水はいらず雨だけで十分育ち、風通しが良い土地のためか、虫があまりいないので薬剤散布も最小限で済んでいる。
 しかし良いことばかりではない。この畑は、そばにある川が氾濫しやすく畑が浸水する恐れが強いので、雨の多い時期に使うことができない。結果としてレタス専用の畑になっているが、ただ遊ばせるわけではなく、近くの畜産農家から仕入れた堆肥を使い土の状態を良好に保っている。
 就農してまだ3年、両親や農協など様々な人からアドバイスを受け、勉強し続けている。
「レタスは近所におすそわけしても喜ばれます。」
レタスは、生でも、炒めても、茹でても食べれる。自分のレタスが、周囲の人たちを喜ばせていることがうれしい。

みそくるみ生産者

【花巻市上根子】小原努さん

花巻市農村青年クラブ

県道12号線から上根子の住宅地へ入ると、赤い外壁がお洒落な真新しい工房が佇んでいた。工房に入る前からワクワクしてくる。『3月中ごろから稼動したばかり』と嬉しそうに話してくれた。
努さんに就農したきっかけを尋ねた。もともと仙台で庭師をしていたが父親が脱サラ、水耕栽培で紫蘇農家を始めた事に興味を惹かれ、地元に帰って農家を始めたそうだ。攪拌機からはくるみみその甘い香りが工房内に立ち込める。攪拌機から移したばかりのくるみみそは湯気が立ちいかにも美味しそうだとみんなが思った。
「ファンを増やしたい」そう話す努さんはしそ巻きの他にドレッシングを作っている。4Hクラブの仲間から野菜を使ったドレッシングを作って欲しいと要望を受け、様々な野菜のドレッシングを作り商品のバリエーションを増やしている。地元の食材を使い地元の方に食べて頂きたいと地産地消を強く話していた。

春キャベツ生産者

【北上市成田】齊藤靖子さん

齊藤さんが春キャベツを栽培し始めたのは約10年前。もともとはイチゴを手掛けていたが、イチゴは人手がかかるため収量を減らし、それに代わる作物として春キャベツに目をつけた。肥料は有機肥料を使い農薬を減らす工夫を施している。
「完全堆肥と、うちお米屋さんだから稲、稲のわら裁断したのをいれたり、微生物いれてる。」
 どのような肥料をどのタイミングでどれくらい使うかを決める肥料設計は重要だ。以前はおじいさんがやっていたが、おじいさんが病気になったことから自分で考え始めるようになった。
「肥料設計しはじめたのはね、10年くらい前から。最初はじいちゃんが入れてたんだけど、自分で調べるうちにダブりで入ってたものがあったり、ちょっとずつ自分で研究して。」 

 そして齊藤さんは生産のみならず、販売でも工夫を忘れない。産直の販売所で買い物客がキャベツを買いやすいよう、キャベツの形にぴったり合うサイズの買い物袋をつけて販売したのだ。そうしたところ、うれしいことが起った。
「すぐ冷蔵庫に入れれるように、ジャストサイズの買い物袋に入れて売り出したらば、お客さんが袋のキャベツないですかっていうことになって。そしたらば、袋のキャベツから斎藤さんのキャベツって覚えてもらって。」
 固定客がつくことで春キャベツづくりは軌道に乗った。イチゴに代わる作物として春キャベツを見事に育て上げた。

寒ざらしキャベツ生産者

【花巻市上根子】平賀恒樹さん

花巻市農村青年クラブ

平賀さんへの取材は今回で4度目だ。はなまき朝ごはんプロジェクトの活動初期からお世話になっている。野菜づくりで恐いのが連作障害だ。連作障害は、同じ場所で同じ野菜を続けて作ることで起きる。野菜の生育状況が悪化し収穫量に影響が出てしまう。これを防ぐため、平賀さんは複数の畑をうまく回しながら対応している。4か所の農地を異なる作物で回しながら上手く栽培している。
 青々と成長したキャベツの中に、わずかに赤い色のキャベツが見える。これは、今年は雪が少ないためにキャベツが凍って痛んだ痕だという。枯れてしまったキャベツも多く、今年は去年より収量は減ることになる。 しかし気温が下がっているので味に問題はない。
 平賀さんは野菜づくりの傍ら、2016年にファームプラスカフェをオープンさせた。平賀さんが調理や接客もしながら、自分の畑から採れた野菜で料理を作り、ゆったりしたカフェでお客様に味わってもらう。野菜作りとカフェ運営。2本の収入の柱を得て、平賀さんはさらに新たなチャレンジを行う。ファームプラスカフェのすぐ近くに、農産物の加工品をつくるための工房をオープンさせるのだ。平賀さんが農家仲間といっしょに活動している「どんまいプロジェクト」。この活動は地元野菜で作ったドレッシングなど、農産物を使った加工品を製造、販売している。今までは製造場所を借りている状態だったが、ついに自分たち専用の工房をつくることができた。
「そっち(工房)もやってカフェもやって野菜もやって。(収入の柱を)三本柱で行こうかなっていう。」

しいたけ生産者

【花巻市田力】大菅智和

花巻市農村青年クラブ

 肌寒い中、大菅さんは自宅の外で待ってくれていた。
「ハウスは家の裏です。」
 裏にまわると、見たこともない大きなハウスが2棟と、それより小さなハウスが1棟建っている。大きな2棟はしいたけの栽培用だ。しいたけに最適な環境を整えるため、大菅さんは特注でこのハウスを建てた。このハウスは精密にコントロールされた、しいたけの巨大工場だ。
 しいたけは菌種によって一年中とれるものもあるが、大菅さんは冬の期間に集中して収穫できるものにしている。しいたけは夏よりも冬に高く売れる作物だ。冬は鍋物への需要などがあるためである。夏場も冷房代など経費はかかる。それなら、高く売れる時期に集中して、質の良いしいたけをつくろうと考えた。
 大菅さんの実家は農家。おじいさんとおばあさんがやっていたのを引き継いだ。きゅうり等を栽培していたが冬場の収入を確保するため、しいたけ栽培に目をつけた。
「しいたけは俺が始めたんですよ。冬場やっぱり暇だっていうのがわかってたんで。」
 野菜には人それぞれ相性がある。今まで取材した農家の多くの方が口にした言葉だ。大菅さんは、しいたけとの相性がぴったり合ったのだろう。
 帰り際、大菅さんの自宅から奥様とお子様たちが見送りに出てきてくれた。
「娘ふたりの息子ひとりです。7歳5歳3歳です。」
 かわいらしい子供たちに見送られ、大菅さんのもとを後にした。

かぼちゃ生産者

【花巻市二枚橋】川村姫子さん

最初に案内されたのは、かぼちゃ畑ではなく5棟のハウス。かぼちゃの収穫は終わり、畑でかぼちゃの姿を見ることはできない。そこで訪れた私たちのために、このハウスに持ってきてくれていたのだ。
驚いたのはかぼちゃの種類の豊富さ。一定の収量のかぼちゃを育てるには広い土地が必要だ。
「かぼちゃって長―く伸びるので、間隔が長くないと絡まって、だめなんですよ。土地あれば植えっぱなし。」
川村家は専業農家で、広い畑をもっている。かぼちゃを栽培するのにぴったりの条件がそろっていたわけだ。
姫子さんが川村家へ嫁に来て27年になる。川村家は現在、96歳のおばあさんを含め5世代9人家族。姫子さんもだんなさんも農業大学卒、その子供達も農業高校をでている農業一家である。
姫子さんはとても明るくエネルギッシュ。川村家の人たちも長命でアグレッシブだ。
「うちら農家って永遠に仕事があるんですよ。(96歳のおばあちゃんも)草取りしますよ。うちらはね、ねっこの近くとか、みんなが食べないところを食べる。栄養あるところ。ちゃんと洗ってゆでて、根っこの中心のところ。みんなはカットしてすてて、大根の葉っぱも食べるからね。活きのいいうちに炒めたり。食にこだわってるのが農家だと思う。」

白菜生産者

【花巻市葛】淵澤秀峰さん

花巻市農村青年クラブ

堂々と大きく実った白菜を眺めながら渕澤さんが話してくれた。
「今年は白菜、当たり年ですよ。」
今年は台風などの被害がなく、暖かく、雨も適度で、白菜が成熟するのに良好な環境だった。
「建設屋だけど内勤。青空の下で稼ぎてぇと。」
実家が農家でないものが、就農するには土地や耕作機械など莫大な初期投資がかかる。迷っていたところ、手を差し伸べてくれる人がいた。その人は渕澤さんの農家の師匠にあたる。
 農作業は渕澤さんと妹さん、ご両親の4人家族を主として、時期によりパートを雇い入れている。
 とれたての白菜をお土産にいただいた。帰り際に白菜畑を見ながら、これから畑を拡大していくのかを聞いた。
「拡大ですけど急には拡大できないんで。仲間の確保だろうなぁ。仲間の確保は急務です。」

長ネギ生産者

【花巻市横志田】高橋清孝さん

花巻市農村青年クラブ

長ネギの生育から収穫までが高橋さんの主な仕事だ。農業を見ながら育った。
「これはお子さんが描いたものですか?」私が小屋の壁に貼ってある絵を指して尋ねると「そおっすね。」と少し笑いながら高橋さんが話してくれた。高橋さんは3児の父でもある。生まれは花巻市の隣にある遠野市で、実家も農家だ。
実家の農家は兄が継ぎ、自分は就職を機にサラリーマンとして花巻で働いた。今の奥様と出会い、高橋家へ婿として入った。
高橋家はすでに離農していたが、遠野の実家が農家だったことや、農業資材など使えるものが残っていたこともあり、農家への道を志す。
農作業で忙しい中でも、時間を作り、長男が通う中学校では野球のコーチを務めている。高橋さんは、地域の子供たちのために自分の時間を惜しまない。

ミニトマト生産者

【花巻市葛】阿部貴広さん

花巻市農村青年クラブ

曇り空と雨の中、静かな農園地帯を進む。すこし狭い農道の先に4つのビニールハウスが見える。ここが今回の取材先、阿部貴広さんのミニトマト栽培用のハウスだ。
阿部さんは埼玉から花巻へやって来た。奥様の実家が花巻で農家をしており、婿入りを機に農業の道へ入った。就農研修や講習会へ積極的に参加し、貪欲に学んでいった。
「自分が大事にしたのは講習内容よりも、参加している人たちとの会話や情報交換でした。いろいろ教えてもらえるので今も講習会には出るようにしています。」
今後もハウスを増やす予定はあるのだろうか?阿部さんは安易な拡大経営には反対する。
「ハウス1つ増やすのにとてもお金がかかる。今の規模が自分一人でできる限界ですね。」
阿部さんのハウスではミニトマトの収穫体験も行っている。次に来るときは、もっとゆったり時間をとって穏やか農園の中で新鮮なミニトマトをいただきに伺おう。

なす生産者

【花巻市石鳥谷町】伊藤邦彦さん

花巻市農村青年クラブ

宮沢賢治が教鞭をとっていた花巻農業高校の近くにあるナス畑。大柄な体躯に柔和な笑顔の男性が迎えてくれた。ナス農家の伊藤邦彦さんである。
花巻の農家に生まれた伊藤さんは大学を卒業後、東京で会社勤めをしていた。都会での食べ物が岩手のものに比べ美味しくないと感じていた伊藤さんは、食べ物を自分で作りたいと考え、岩手へ戻ることを決意。
 水やりは機械がやってくれるが、大変なのは収穫の作業だ。例年だと朝2時30分から3時くらいに起き出荷作業、朝食を食べ、10時過ぎから昼頃まで仕事をし、昼食を食べ、13時30頃から夕方まで手入れや収穫を繰り返す。夜9時には床に就く。
 農業で忙しい毎日だが、伊藤さんは2児の父でもあり、子供たちとの時間も大切にしている。畑を遊び場にしたり、近くの森に一緒に行ったり、伊藤家の子供達は自然の中ですくすく育っている。  今後は畑をどうしていきたいのか?「大きく広くしていく人もいるけど、自分は今の稼ぎでやっていけたらいいです。」そう伊藤さんは考えている。

花巻市農村青年クラブとは

花巻市農村青年クラブ連絡協議会とは、岩手県の若手の農業者が運営する団体です。
クラブ員の圃場巡回や県内外の先進的な農業団体・施設などでの研修を通じて農業のスキルアップに繋げています。
また、各地域振興へも寄与するため、催し物などで農産物の販売などを行い地域住民との交流を深めています。
3地区交流(北上・西和賀)や県内外の農村青年クラブと積極的に交流し、花巻の良さを発信する活動も行っています。

花巻市農村青年クラブ

花巻市農村青年クラブ 会長 伊藤邦彦

私たちの生産する農産物はごくありふれたものたち。
でも、同じ種類でも地域、作る人によって味が変わってきます。

ここ花巻で採れたものを、生産者の顔とともに提供する食材たちはここでしか味わえないものとなっています。
また、農産物や農業そのものに対する私たちの思いや、道中の花巻の風景といったものも一層おいしさを惹きたてるものだと思っています。

朝食で花巻そのものを味わっていただき、花巻を好きになって貰えれば嬉しく思います。

会長 伊藤邦彦