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生産者紹介

【花巻市中根子】 農事組合法人 中根子さん

アスパラ生産者

花巻市農村青年クラブ

雲一つない初夏のアスパラ畑
若草色に成長したアスパラを眺めながら、アスパラ栽培の担い手である「農事組合法人 中根子」の藤原さんにお話を聞いた。

「農事組合法人 中根子」は花巻市の中根子地区の人たちが中心となり組織された。8名の役員の他、収穫時など人手がかかる時期にアルバイトを雇い、アスパラをはじめコメ、大豆、ハト麦を栽培している。

 今年は5月と思えぬ暑い日が続いている。暑いとアスパラはどんどん伸びていき、出荷できないほど大きなサイズになってしまう。それを防ぐため、涼しい時間帯である早朝5時から収穫を行っている。訪問時も収穫の真っ最中だったが、快く取材に応じていただいた。
将来を見据えて収穫量を安定させる
 アスパラ畑は約45アールの広さを誇る。2つの品種を育てており、ひとつがウェルカムで約28アール、もう一つはバイトルで約17アールの広さの畑で栽培している。

 アスパラは植えて収穫まで3年必要とされる。昨年まではウェルカムのみを収穫していたが、収穫を始めて10年が経とうとしており収穫量が落ちてきた。

 そのため余っていた畑に新たな品種であるバイトルを植えた。今年で3年目を迎え、ついに収穫ができるようになった。

 アスパラに限らず野菜は収穫して、すぐ売上をあげることができるわけではない。予め収穫量の減少を予測し、補うための手段を用意することが必要だ。藤原さんたちは一年の収穫の流れを考え、とても計画的に動いている。
瑞々しいアスパラのため
 アスパラ畑には月2回のペースで防除を兼ねて液肥をまいている。液肥をまくのは藤原さんの仕事だ。手押しの機械を使い、近くにある井戸水を使用し、約4時間かけて液肥をまいていく。

 この畑は水はけが良い。野菜栽培では、水はけが良いからと言って気を抜くのは禁物だ。水はけが良いため日照りの日が続くと土が乾燥し、アスパラがうまく育たなくなってしまう。それを防ぐため、畑の脇を通る用水路から水を畑へ引き入れる。一時的に畑を水浸しにし、土の乾燥を防いでいる。
地域の憩いの場をつくる
 このアスパラ畑は、野菜の収穫場だけにとどまらず地域の憩いの場としても活用されている。アスパラ収穫体験を行う「中根子ふれあい祭り」は今年で早や3年目を迎える。

 地元の子供たちが、大きなアスパラを探して畑の中を探し回る。野菜の収穫体験を通して地域の人たちの交流の場所となっている。

 藤原さんは、今後の活動方針として今の収穫規模を維持しながら、より効率的に働けるように改善したいと言う。例えばドローンを使った薬剤の計画的な散布といった先端技術に興味があるそうだ。

 新しいことへ積極的に取り組みながら、瑞々しく、質の良いアスパラを、十分な収穫量を確保しながら安定して出荷していく。「農事組合法人 中根子」の挑戦はこれからも続いていく。