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生産者紹介

【花巻市葛】 渕澤秀峰さん

ブロッコリー生産者

花巻市農村青年クラブ

茎がおいしいブロッコリー
 ブロッコリーは頭の部分に大きな蕾があり、この部分に目がいきがちだが、渕澤さんは蕾を支える茎の部分の大事さを教えてくれた。理想的なブロッコリーは茎が太く、みずみずしいものがおいしいと言う。
 ブロッコリーも生き物なので、繁殖しようとする。水不足で乾燥しており、気温が暑いという過酷な環境だと、ブロッコリーは繁殖を優先させ、早く花を咲かせようとする。そういうブロッコリーは茎が細く、またみずみずしさが足らないので固くて食べにくくなってしまうのだ。
 また茎は蕾よりも甘く、栄養価が高い。料理したときにおいしいのも茎で、この部分をどう上手につくるかが、ブロッコリーづくりで大事なポイントだ。
出荷したあとの野菜のイメージ
 渕澤さんはブロッコリーのおいしい食べ方も豊富に教えてくれる。栽培だけで終わらず、自分の野菜がどのように調理されるのか、出荷したあとのことまで非常に気を使っている。
 それは交友関係の広さから伺い知ることができる。農家仲間や地域のつながりにとどまらず、地元のレストランや洋菓子店とも親交があり、頼まれて様々な野菜をつくっている。飲食のオーナーと相互に情報を交換し合い、積極的にお客のニーズを把握しようとしているようだ。
オーダーに合わせ新しい作物をマスター
 とある洋菓子店からセルフィーユを作ってほしいと注文があった。セルフィーユはほんのりと甘い香りのするハーブで、ケーキなどにのせて色合いや風味として使われる。栽培の経験がなかったが、試行錯誤しながら2年をかけて栽培方法をものにした。
 その他にもイタリアンレストランに卸すためのリーフレタス栽培など、渕澤さんは地元飲食店のオーダーに柔軟に応じることができる頼れる生産者だ。
 
 渕澤さんがこのように様々なオーダーに対応できるのは、日ごろから多くの野菜をつくっているからだ。
 年間を通して、レタス、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、きゅうり、白菜などをつくる。それらを作りながらハウス栽培も手掛ける。冬になると雪下ニンジン、ハウスでほうれんそう栽培だ。1年を通して多くの野菜をつくり続ける。
 また同じ科の野菜を同じ畑で作り続けると生育不良となる、いわゆる連作障害を防ぐため、つくる野菜を変えることも経験の蓄積に役立っている。例えばキャベツや白菜などアブラナ科のものが続くと、次はキク科のレタスを植えたりと、連作障害を防ぐために異なる野菜をつくる必要があり、それによって自然と手がけた野菜の種類が増えていったのだ。

 みずみずしく育ったブロッコリーをいただき、渕澤さんの畑を後にした。