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生産者紹介

【花巻市中根子】 農業生産法人 中根子さん

アスパラガス生産者

岩手県花巻市、中根子地区
5月初旬、岩手県花巻市、中根子地区。「農事組合法人 中根子」の藤原正道さんは、仲間である藤原貴代子さんらとともに、収穫や選別の作業に追われていた。生育状態や農協などへの出荷の時間を考え、貴代子さんたち主に女性スタッフが早朝5時くらいからアスパラを収穫している。
 一方で正道さんの担当は主に防除のため薬剤散布だ。散布には専用の機械を使うが、およそ30アールの畑に防除服を着こんで行う重労働。そんな忙しい中、快く取材に応じていただいた。

明日の地域のため
 中根子地区は東西に豊沢川が走り、古くからコメ農家が多い土地だ。これからの時代はコメだけでは生計をたてられない、と考えた正道さんが幅広く野菜も継続して栽培していくために立ち上げたのが始まりだ。メンバーはアルバイトも入れると20名くらい。中根子地区の人たちが中心となり運営している。
 主な品目はコメ、アスパラに加え、大豆、ハト麦などである。
みずみずしく、まっすぐに
 おいしいアスパラはみずみずしく、まっすぐ直立した美しさがある。この2つを備えたアスパラをどうつくるのか?
まずはみずみずしさである。このアスパラ畑は水はけが良すぎる土地で、日照りが続くと土が乾燥してしまうという不利な点がある。
しかし、元は水田であった土地なため、畑の脇を通る用水路から水を畑に引き入れる設備が整っている。水不足となったら水を引き入れ、一時的に畑を水浸しにすることで水不足を解決している。
 次はまっすぐとした形の美しさだ。アスパラが曲がってしまうのは水不足が原因の一つとしてあげられる。また土の中に石があると、アスパラは曲がったまま成長してしまうので、こまめに石を取り除くことも大切だ。
栄養の偏りや不足も問題だ。この土地は土が深いため、アスパラは広々と根を張ることができる。広い分、他の草との栄養の奪い合いがおこりやすい。こまめに草取りを行うことで、栄養をアスパラに集中させる。
さらに虫の被害に病気が怖い。特に雨水が地上で跳ね返りアスパラに当たると茎枯れを起こす原因になる。そのため雨の跳ね返りを軽減するクッション代わりにもみ殻を畑に撒いて予防している。
収穫とこまめな草取り、そして防除と美しいアスパラのためにスタッフみなで協力している。
スマート農業を目指す
 アスパラ畑の隣に、ここと同じくらい広い土地がある。農事組合で管理をまかされているが手つかずのままだ。
 やりたいことはあるのだが人手が足りず、人手不足を解消するために、これからは積極的に最新のデジタル設備を取り入れていこうと考えている。
 手始めとして農薬散布ドローンを導入した。若い人たちを4人集め、スマートチームつくってドローン操縦の資格をとらせ、作業スタッフもそろえている。
 自動運転のトラクタなどの導入も視野にいれデジタル技術を活用したスマート農業をすすめていく予定だ。
 組合の役員の平均年齢70歳以上。しかし学びを忘れず挑戦する姿は若者のようにみずみずしい。「農事組合法人 中根子」の挑戦は地域の未来を灯していく。