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生産者紹介

【花巻市葛】 大菅智和さん

じゃがいも生産者

花巻市農村青年クラブ

「じゃがいもの芋ほりを見られますよ。」
農家の大菅さんからお誘いをいただき、興味芯々で伺った。今回の取材班は、家族も連れて参加。大菅さんのご家族にも手伝っていただき、とてもにぎやかなインタビューになった。

芋ほり機をつけたトラクター
 主要道路から離れた農道の奥、林の裏側に広がる青々とした原っぱ。一見するとここがじゃがいも畑とは分からない。草が多いのは農薬を使わず栽培しているためだ。
 大菅さんは芋ほり機をつけたトラクターを駆り、畑のなかを進んでいく。ほり起こされたじゃがいもが次々現れる。ここは大小さまざまなじゃがいもが姿を現す豊かな土壌だった。
 てっきり手やスコップなどで1つずつ掘るものと思っていたが、これなら暑い中でも芋を拾うだけで良い。連れてこられた子供たちは色々な形のじゃがいもに大喜び。用意された段ボール箱はすぐにいっぱいになった。

「とうや」と「男爵」
 栽培しているじゃがいもの品種は2種類。「とうや」と「男爵」だ。形はほとんど同じだが、「とうや」は中が淡い黄色、「男爵」は中が白い。また「とうや」は比較的早く大きくなるため、取材日の時点ですでに収穫し終えていた。
 大菅さんは仲間と一緒に、別の農地を借りて共同でじゃがいもを栽培していた。その経験を活かし自分の畑でもやろうと、きゅうり畑だった場所をじゃがいも畑に変えた。経験があるとは言え、土が変われば同じようにはいかない。さらに今年は気候にも悩まされた。
 種イモを植えたのが4月下旬。近隣の畜産農家から手に入れた堆肥を元肥にして、追肥は行わない。はじめは草がなかったが、暑さと雨で一気に原っぱに変わった。


今までの経験
 今年は季節外れに暑い日が続き、畑にいられないくらいだった。涼しくなるのを待っていたら今度は雨が続き、一気に大きくなってしまったものも少なくない。じゃがいもは中がすかすかの空洞になる中心空洞症という現象があり、大きいほど発生率が高まる。出荷できるものが減ってしまう恐れがあった。
 2つの品種のうち「とうや」は期待したようには取れなかった。しかし男爵の方が畑に合っていたようで、量がたくさん取れた。心配していたが、収量を見ればまずまずの結果だ。
 本格的に始めたばかりでじゃがいもはずぶの素人、と大菅さんは謙遜するが、不利な環境の中、きちんと収量を確保したのは、やはり今までの経験のなせることだろう。反省点を活かし、次は草対策に畑にマルチをはる等、工夫していくと言う。

 じゃがいもでいっぱいの段ボールやコンテナを車に積み込み、大菅さん一家のもとを後にした。