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生産者紹介

【花巻市葛】 渕澤秀峰さん

ブロッコリー生産者

花巻市農村青年クラブ

異常気温にも冷静に対応
例年なら収穫の真っ最中のはずだか、ブロッコリーの蕾が小さいものが多く、今年はまだ収穫に至っていない。原因の一つは水不足、もう一つは不安定な気温である。30度の暑さの翌日は1度に下がったりと、異常な気温が続いたため、生育が止まっている。
この異常事態への対策を尋ねると「雨ごい」と渕澤さんは冗談交じりに笑っているが、冷静に収穫のタイミングを待っている。雨は必ず降る。大事なのはその後の収穫のスピードだ。
この状態だと、次に雨が降れば一気に大きくなる。少しずつ大きくなる場合は、その分収穫の期間を長くとれるが、今年は成長のスピードが速く収穫期間が短い。おそらく3、4日が勝負だろうと、すでに予想をたてている。
ただ収穫するタイミングは明け方に集中して行う。気温が低いときの方が糖度が高く、おいしいブロッコリーになるためだ。
多品目を扱う理由
渕澤さんはブロッコリーをはじめ、ほうれんそう、白菜など多品目を取り扱い、その数は18種類に及ぶ。さらに地元の菓子店からオーダーされて、セルフィーユといったハーブ系の栽培も少量つくって販売している。
多品目にするのはリスク分散が理由の一つだ。野菜は毎年同じ価格で推移することはなく、市場によって乱高下する。作物を絞ってしまうと、その作物の価格が下がった場合、大きな痛手になる。たくさんつくれば、安いものを高いものでカバーし、全体の売上を安定させられるからだ。
直売所の自分だけのコーナーと交友関係
もう一つの理由は直売所のため。淵沢さんは皆からの信用を得て、自分専用のコーナーを置いている。直売所の野菜が途切れないよう、種類をかえて来訪者を喜ばせている。
さらに別の理由を考えると渕澤さんの広い交友関係がヒントだ。渕澤さんの交友関係は仲卸や営業マン、地元菓子店やレストランオーナー、そして私たち旅館などに広がりをもっている。彼らの要望を聞き、それに応えられるよう、多くの作物をつくっているように思われる。
生産にとどまらず、仲卸などの仲介業者からスーパーの売り場、実際に手に取る消費者など商品の流通から購買に至る人たちへのリサーチ、何が売れ筋かなど真摯に聞き耳をたてている。渕澤さんはトータルで農業を考える凄腕の経営者だ。
※ブロッコリーの写真は2022年撮影のものとなります