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生産者紹介

【花巻市石鳥谷】 三又明美さん

サツマイモ生産者

花巻市農村青年クラブ

地元の焼き芋屋さん
ドラム缶の石焼きの上から焼き芋のいい匂いが広がる。ここはサツマイモ農家である三又さんがオープンさせた焼き芋屋「Vegechu(ベジュチュ)」。11月の寒さから体を温める、ねっとり系の甘い焼き芋が人気のお店だ。
新規オープンからおよそ4年。順調に固定客がつき、地元に愛される焼き芋屋さんとして地域に定着している。取材中もお得意さんと思われるお客さんが焼き芋を求めてやってきた。
長ネギからサツマイモへの転換
約30アールの土地で長ネギをつくっているが、近年の肥料高騰に対応するべく、長ネギ用の土地を半分に減らし、長ネギに比べ肥料がかからないサツマイモ栽培の比重を増やした。
サツマイモの収量が増えたため、栽培する品種も5種に増やし、Vegechuの商品数を増やした。代表的なものはシルクスイート。水分が多く、ねっとりなめらかな味わいの焼き芋で、飽きがこない甘さなのでペロリと一本いただける。
その他に、紅はるか、安納芋、すずほっくり、パープルスイートロードを用意している。それぞれ色や味に特徴があり、お客さんの好みに応えられるように取り揃えた。また焼き芋にとどまらず、冷凍焼き芋や焼き芋の干し芋と新商品の開発に余念がない。
三又さん自身が店頭にたち、お客さんと接して、何が欲しいか、どんなものが好まれるかを積極的にリサーチしている。
焼き芋に適したかたち
サツマイモの形や長さにこだわりがあり、理想は焼き芋に適したかたち。太すぎず食べやすいかたちを目指している。
そのため防ぐべきことのひとつに蔓ぼけという生育不良がある。蔓ぼけとは、蔓や葉っぱに栄養が偏ることで、肝心のサツマイモが大きく育たない現象のことを言う。葉っぱが大きく育つので、一見するとサツマイモも大きく育ったと勘違いするが、土中から引っ張るとサツマイモは小さすぎ、焼き芋に適さないのだ。
逆に大きすぎると、焼き芋にしたときに味が少し大味に感じる。適度な大きさにするためには、苗植えの段階で、苗同士の間隔をやや狭くし、さらに斜めに植える工夫をしている。そうすることで、細めで数も多く収穫できる。
専用のコンテナで保管
サツマイモは栽培期間中はそれほど手間がかからない作物で、収穫後の保存にむしろ手間をかけている。収穫したサツマイモは、Vegechu専用のコンテナ倉庫で保管する。コンテナ内はエアコンで14度から16度の定温に保たれている。暑いと腐れやすくなり、寒いと黒く変色し、そこから腐ってしまう。おいしい焼き芋のためには収穫後の温度管理が重要なポイントだ。

収穫後2週間から1か月は寝かせた方が甘みが出る。例年Vegechuを11月始めにオープンする計画で、そこから逆算すると収穫の終了時期が決まる。スケジュール管理を徹底し、高品質のサツマイモを適切なタイミングで出せるよう工夫している。

これから進めたいはさらなる新しい商品の開発だ。
「これからもお客さんが喜んでくれる新商品を考えていきたい。」
三又さんのチャレンジはさらに続いていく。。。