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生産者紹介

【花巻市滝田】 大釜広貴さん

りんご生産者

花巻市農村青年クラブ

経験を積み農家へ
最初はガラス製造業や石材業での仕事をし、30歳を機に「りんごを通じてお客さんと直接繋がりたい」という想いから、本格的にりんご栽培の道へと進みました。
独立にあたり、地元の宇津宮果樹園で3年間の研修を受け、栽培技術から経営に至るまで基礎を学び、独り立ちする準備を整えました。
研修では、直売所でお客さんと触れ合い、商品を見せる技術や、ポップの書き方など、細部にわたる実践的な経験も積みました。
滝田ジョナゴールドへのこだわり
大釜さんが栽培するりんごで一番多いのはジョナゴールド。地元のブランド「滝田ジョナゴールド」として市場で売り出されています。特有の酸味と甘味のバランスが絶妙で、りんごらしい味わいが特徴です。
酸味と甘味のバランスの他、鮮やかな色が出ると自慢の品種で、青森や長野のりんごと比べても地元ならではの味わいが楽しめます。滝田ジョナゴールドは農協を通して東京にも出荷されており、市場にも認知されています。
明るく風通しのいい園地づくり
農場経営においては、明るく風通しの良い環境づくりを大切にし、剪定などの工夫を重ね、畑全体に日の光が行き届くようにしています。木の下の枝にも十分に日光が当たるよう、枝をひろげたり、おさえたりする工夫をこらし、木の上も下も万遍なく鮮やかな色合いのりんごになるよう心がけています。
こうした環境の改善は、単に品質を高めるだけでなく、農薬散布時の効率を良くする効果もあります。
さらに、場所ごとに日当たりや土壌の性質が異なるため、畑の特性に合わせて肥料や剪定方法を調整するなど、工夫を惜しみません。


また、季節ごとにアルバイトを雇用し、春は間引き作業、秋にはりんごを回して色を均等にする「玉回し」を行っています。これは見た目の美しさだけでなく、糖度を高め、味わい深くするための重要な作業です。「お客さんに見た目でも美味しさを伝えたい」という思いが、丁寧な作業の積み重ねに表れています。

りんご栽培を始めてからの3年間で、失敗や試行錯誤を重ねた経験を「自分で失敗しなければ気づけないことが多い」と前向きに受け止めています。
りんごに近づいてほしい
今後の展望として、大釜さんは地域での直売所の開設や観光体験の導入も視野に入れています。
「お客さんにりんごに近づいてほしい」という願いから、地域の少年野球チームの子どもたちを招き、りんごの収穫体験を提供する予定です。

温暖化の影響で栽培が難しくなりつつある中、変わりゆく気候への対応にも積極的に取り組む決意を示しています。より多くの人に「滝田ジョナゴールド」の魅力を伝えたいという大釜さんのりんごは、地域を照らす鮮やかな色あいを放っています。