生産者紹介
【花巻市矢沢】
菊池浩太さん
しいたけ生産者

- 思い切って農業に専念
- 「実家は兼業農家でしたが、正直、兼業はかなり厳しかったです。」と語る菊池さん。
農業をメインにして、他の仕事をサブにするか、いっそのこと農業一本に賭けるか、と悩んだ末、思い切って農業に専念する道を選びました。この決断には、農業に対する強い思いと、家族の理解と支えがありました。
- 試行錯誤のビニールハウス
- まずは元々やっていた米作りからスタートし、冬場の収入源を確保するためしいたけ栽培に取り組みました。
私たちが驚いたのはビニールハウスを経費をおさえるため、廃業した農家から部材を手に入れ、自ら組み立てたことです。
時間はかかりましたが、しいたけにとって必須の温度および湿度管理、日照管理や防虫など、理想とするハウス環境を目指し改良中です。毎年ハウスをカスタマイズし、より良い環境でしいたけを栽培できるよう挑戦を続けています。
- スマート農業の導入
- 菊池さんは元JA職員で金融部門を担当。経理に通じるという強みを生かし、データをもとに農業経営を行っています。
たとえばスマート農業。スマート農機「ハウスファーモ」を導入し、温度や湿度、二酸化炭素の濃度までスマートフォンで管理しています。以前は夜中でもハウスに行って温度を確認していましたが、現在は遠隔で確認できるので、作業効率が格段に上がりました。
また栽培技術の向上にも余念がありません。
今年からは品種を切り替え、収穫期間を夏場まで引き延ばせるよう工夫しています。
技術次第で収穫量を調整できるので、忙しい時期と重ならないように工夫しています。
また、やまねfarmの水は、地域の共同水源を使用しています。
塩素消毒されていない自然の水を使い、しいたけにも良い影響を与えています。
自然水を活用することで、より品質の高いしいたけを育てています。
- 今後の目標と展望
- 今後の目標は、「規模を大きくすることよりも、いかに効率よく作業できるか」を追求することです。
「親も年を取っていく中で、少ない人数でも収量を維持する方法を模索しています。」と菊池さん。現在はしいたけだけでなく、ピーマンやミニトマトも手がけており、特に「プチぷよ」という品種のミニトマトは、好評を得ています。
やまねfarmの挑戦は、伝統を守りながらも、革新を忘れない姿勢に溢れています。スマート農業の導入や、地域資源を活かした取り組みは、多くの農家にとっても新たな可能性を示しています。