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生産者紹介

【花巻市葛】 淵澤秀峰さん

白菜生産者

花巻市農村青年クラブ

今年は白菜の当たり年
少し肌寒い秋空の下、およそ1年ぶりに渕澤さんの白菜畑にお邪魔した。ちょうど今は収穫の時期、堂々と大きく実った白菜を眺めながら渕澤さんが話してくれた。
「今年は白菜、当たり年ですよ。」
今年は台風などの被害がなく、暖かく、雨も適度で、白菜が成熟するのに良好な環境だった。昨年は寒かったため4000玉程度の収穫量だったが、今年は5000玉の収穫を予定している。
「白菜はとるタイミングで味が変わるすね。今の白菜だったら食感を楽しむ。さくさくっとした浅漬けとか、ああいう向けの白菜。あと2、3回霜にあたって甘くなっていきます。」
畑の広さはおよそ12アール。白菜がおよそ20列に並べられて植えられている。その中に2列、紫色の白菜が植えられていた。今年から試しにつくった紫奏子(むらさきそうし)という紫色の白菜だ。取引先のイタリア料理店から生産を頼まれたという。
「普通のより成長が遅いなど違います。味はほとんど同じかな。食感は堅め。彩りとして使うものですね。」
新しい作物への挑戦
渕澤さんは、白菜のほか、キャベツ、きゅうりなどを主としながら、紫白菜やチャービルなど新しい作物も積極的に生産している。
生産している作物が多いだけでなく、それらの出荷先も多く、直売所や朝ごはんプロジェクトの旅館以外にも前述したイタリア料理店のほか、洋菓子店、花巻市内のホテルなどで使われており、渕澤さんの野菜が多くの人たちに重宝されていることが分かる。

「こういう野菜つくれないか、という要請があるのでつくっています。」
要請される野菜は、イタリアンで使用するもの等、珍しいものも多い。使える農薬も限られる等、様々な制約がある。
このような注文に応えるため、渕澤さんは情報収集に余念がない。例えば農薬について、交流のある主剤屋さんから新しい薬の情報を学んでいる。
「毎年毎年あたらしいものがでる。つきあいのある主剤屋さんからテスト主剤が入ってくる。」
試行錯誤しながら、野菜の“くせ”をつかむ。
青空の下で稼ぎてぇ
 渕澤さんが、この畑で農業をはじめたのが13年ほど前。花巻の出身だが農家ではなく建設の仕事に従事していた。
「建設屋だけど内勤。青空の下で稼ぎてぇと。」
実家が農家でないものが、就農するには土地や耕作機械など莫大な初期投資がかかる。迷っていたところ、手を差し伸べてくれる人がいた。
「地元の消防団で知り合いだった人が、機械や土地みんな貸すから農家やれと。」
就農した当時、この畑はきゅうり畑だった。きゅうり栽培も渕澤さんを含めて3人共同ではじめた。その二人は渕澤さんの農家の師匠にあたる。
 師匠たちがこの畑から別の場所に移り、今は渕澤さんが一人でつかっている。農作業は渕澤さんと妹さん、ご両親の4人家族を主として、時期によりパートを雇い入れている。
自分にどんな作物があうか。
多品目の作物を扱っているが、どんな要請にも応えるわけではない。
「評判があればやります。テスト的には。ただ品目の組み合わせってあるじゃないですか。合う合わないのがある。自分にどんな作物があうか。」
 自分に合わないものは、できてもうれしくないと渕澤さんは言う。
 とれたての白菜をお土産にいただいた。帰り際に白菜畑を見ながら、これから畑を拡大していくのかを聞いた。
「拡大ですけど急には拡大できないんで。仲間の確保だろうなぁ。若手で野菜屋はあんまりいない。仲間の確保は急務です。」