1. HOME
  2. 生産者紹介
  3. 花巻市葛 阿部貴広さん

生産者紹介

【花巻市葛】 阿部貴広さん

しいたけ生産者

花巻市農村青年クラブ

信頼できる生産者さん
しいたけはビニールハウスの中に1列5段に積み重なった陳列棚が3列1セットで設置されている。
その陳列棚にいくつもの菌床しいたけのブロック球が置かれ、1つ1つのブロック球から無数のしいたけが生えている。阿部さんのハウスには何度もお邪魔しているが、いつもはじめて見たような感動がある。
阿部さんはしいたけ栽培13年。常に安定した収穫量を維持し、ぷりぷりとした食感のしいたけは、朝ごはん会場でお客様からの評判が高い。信頼できる生産者さんの一人だ。
ブロック球を洗う
しいたけの次に目に留まったのは洗浄機。ハウスの外につながっていて、井戸水を給湯器で温め、引っ張ってきたお湯を洗浄機を使ってブロック球表面を洗っている。そうすることで、しいたけ球につく幼虫を取り除き虫害を防ぐことができる。水よりお湯の方が効果があるため、燃料費はかかるが、虫被害による収穫量の低下や品質低下とのバランスを考えて、お湯で洗浄している。
洗浄のタイミングは収穫の底をつく時期。しいたけの収穫には波があり、ブロック球にしいたけが生える時期と生えない時期が大体繰り返される。生えてない時期を狙って、洗浄機で汚れを取り除く。
しいたけは酸素が好き
人間と同じように、しいたけも新鮮な空気を好む。特に酸素が重要で、しいたけは他のキノコ類に比べて必要な酸素量が多い。酸素が不足すると、生えてくるきのこに変形したものが多くなる。
それを防ぐため、阿部さんは朝と夕方にハウス内の空気を入れ替えている。ハウス内に設置された複数の扇風機をすべて回し、空気を拡散する。
またハウスの両サイドにダクト状のビニールホースが通っている。ビニールホースの表面には無数の小さな穴があいていて、先端につながったファンから空気を送ることで、穴を通してハウス内すみずみまで空気をめぐらせている。
空気を入れ替えるとその都度ハウス内は気温が下がってしまう。そのため暖房をつけたままにするよりコストはかかるが、品質の向上には必要な作業なので続けている。
光熱費をおさえる工夫
ただやはり光熱費の高騰は悩みの種だ。
もともとハウスが冷えないよう断熱のためカーテンをかける等、光熱費をおさえる工夫をしていたが、今年はより細かく温度管理している。
例えば、今までは暖房を細かく管理していなかったが、現在はその日の天気、外気温を見て、暖かい時間帯は切り、寒い時間帯はつける等、より細かく管理している。大事なのはハウス内の温度ではなく、しいたけ菌が繁殖しているブロック球の温度。ブロック球の温度さえ下がってなければ栽培はなんとかなることが分かった。
このような経営努力を続け、今のところ昨年と同じペースで経費をおさえることに成功している。
しいたけには阿部さんの栽培の技術や労力などあらゆるものが詰まっている。立派に育ったしいたけをいただき、阿部さんのハウスをあとにした。