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生産者紹介

【花巻市上似内】 菅原毅さん、彩花さん

ミニトマト生産者

花巻市農村青年クラブ

初年度の失敗を活かした改善
ハウス内はミニトマトの枝木が林のように生い茂っている。枝木は3mにも伸びる。
上に伸ばすと収穫しづらいため、上から垂らしたひもにクリップで枝木をとめて横に伸ばしていく。

昨年のミニトマト栽培1年目で様々な課題が見つかった。
改善点は主に3つ。品種の変更、収穫ピークの分散化、蜂の活用だ。

まず1点目の品種の変更について説明する。
初年度に採用したミニトマトの品種は3種類。そのうちプレミアムルビーという1種類のみ今年は残した。
さらに試しで新たにキャロルスターという品種をいれた。この2種類を栽培している。

プレミアムルビーは1個1個の実が小さいが量がとれる。
一方キャロルスターは量は少なめだが、実が大きいものがとれ、収穫しやすいという特徴がある。
この2種を組み合わせて収穫を安定させている。
適切なタイミングで無駄なく収穫
2点目は収穫のピークを分散したことだ。
5棟あるハウスのうち、3棟を4月に、2棟を6月に植えることで実の収穫ピークをずらした。
初年度は1か月しかピークをずらさなかったため、収穫ピークがうまく分散せず手が回らないこともあった。
その反省を踏まえ、今年は2か月あけることで、適切なタイミングで無駄なく収穫できそうだ。
蜂を活用した受粉作業
3点目は蜂の活用だ。受粉作業にはスプレーでホルモン剤を噴射する人工授粉という方法もあるが、手作業で非常に時間がかかるため、菅原さんは蜂をつかって受粉している。

これは花粉や蜜を集める蜂の習性を利用した受粉方法で、蜂の巣箱をハウス内に置くだけで、蜂がハウス内を飛び回りミニトマトの花を揺らすことで受粉させてくれる。

利点は2つある。1つは作業量が減らせること。もう1つは蜂に有害な農薬が使えないため、結果として農薬の使用量を減らせることだ。

蜂は30度を超えると、巣箱の蜜が溶けてしまい、中の幼虫が育たなくなってしまう。そのため巣箱の温度を扇風機などで冷やしている。
収穫量の最大化を目指して・・・
このように改善に取り組んだことで、収穫量は昨年比で1.5倍に増える予測だ。目標の収穫量は1棟1トン。今のペースなら達成できそうだ。

ハウスを増やし事業の拡大も見据えているが、今は1棟当たりの収穫量をさらに増やすため工夫し続けている。

課題はすでに見えている。目標は花巻で一番のミニトマトをつくれる農家。改善の結晶であるミニトマトをいただき、菅原さん夫婦のハウスを後にした。